理屈はさて置き、当店の標準てきなペーパーフィルターでの献て方を、例にとってご説明致しましょう。
荒挽きのマイルドなコーヒーを目指しているので、豆の分量は少し多めに、使用するドリッパーも余裕を持たせて、大き目のサイズのものを、使用します。
・豆の分量
1人前 15c,2人前 26c,3人前33cと言うように、一度に献てる人数分が多くなるほど1人分のコーヒー豆の分量は少なくても十分に濃度が出るようになります。
写真の例では、2人分を102ドリッパーを使用して、抽出しています。
|
|
・ |
お湯は必ず沸騰させて、かける直前にガス台から離し沸騰が少し落ち着くのを待つ。 |
・ |
1回目のお湯は、中心から周囲に逆の「の」の字を描くようにコーヒー豆の膨れに併せながらタップリとかける。
(上手く膨張させる事ができて、待機の時間が十分に持てると1回目のお湯で、コーヒーの成分の大部分は、抽出されます。) |
|
|
・ |
この時、少し落差をつけて、お湯の穂先がコーヒー豆の底まで届くような感覚で落とすとコーヒーの味に力強さが出てきます。 |
・ |
後は、ゆっくりとコーヒーの抽出液が落ちるのを待ちます。 |
|
|
・ |
スーと落ちていた液が、ポタポタと切れる手前で、2回目のお湯を1回目の時のようにまたタップリとかける。 |
|
|
・ |
2回目のお湯をかけた時に、アワの色が1回目の時と違ってヌタッとした白っぽいアワになるとコーヒーの成分が抽出されたと言うサインです。
(豆の種類や焙煎によっても、アワの状態は少し違います。) |
・ |
後は、人数分の目盛りまで、コーヒーの液が落ちるのを待ってドリッパーの中にお湯が残っていてもサーバーからはずします。 |
|
できあがったコーヒーの味は、マイルドなクセのない味になっていると思います。
(コーヒーの成分の7〜8割を抽出した、おいしいとこどりの抽出法といえます。)
もう一度、繰り返して言いますが、どのようなお湯のかけ方をしても適正に焙煎された良質のコーヒー豆を使用していれば必ずそれなりの味はでます。決して、難しく考える必要はありません。
ですが、コーヒーの味は、上記の例からも分かるように、コーヒー豆の粒子がどのような膨張の仕方をしたかによって、微妙に違いが出てきます。
この事は、同じ珈琲豆を使用しても、コーヒーを抽出する器具が違うと、味の違いが出てくると言う事に関連してきます。
それもまた、珈琲の味わいの一つとして、楽しむ事ができれば、より深く珈琲の世界を理解したと言えるのでは、ないでしょうか!
コーヒーの抽出法は、決して一つでは、ありません。
自分流のドリップ法を創り出す事に、チャレンジして下さい。コーヒーの味が一味違ってくる事でしょう。 |