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コーヒー豆の挽き方について
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・当店のコーヒーの美味しい訳は・・・


焙煎について
たかが珈琲、されど珈琲
私は、コーヒーと関わるようになって今年で30年になりますが、いまでも珈琲について解らない事が山ほどあります。
それほどに、珈琲とは探求心を沸き起こしてくれる奥の深いものでもあります。
”たかが珈琲、されど珈琲”です。

この章では、珈琲の焙煎について、私の主観を述べようとおもいますが、それほどに奥の深い珈琲ですので私の主観だけが全てでは無く、まったく違う視点からの見方というのも、有って至極当然であるという事もご賢察のうえ、ご一読頂ければ幸いです。
私の拙い経験談ではありますが、30年の珈琲体験から学んだ事が、珈琲ファンの方にとって珈琲と言うものを少しでもより深くご理解頂く為の一つの指針になれれば、私の至福の喜びとする所です。

火力の魔術で創り出す、味の芸術
●珈琲の焙煎とは、一言で言えば”火力の魔術で創り出す、味の芸術”だと思います。

おおよそ自家焙煎の店でコーヒーの美味しさを売りにしている店であれば、良質の生豆を使用して焙煎し鮮度の新しい豆を販売すると言うのはあたりまえの事だと思います。
そして、少し丁寧な仕事をする店であれば、欠点豆があればハンドピックして取り除くという事も至極あたりまえの作業だと思います。
それでもお店によってコーヒーの味が違い、美味しさの程度も違うのはなぜでしょう?
それは焙煎方法が違うからです。
それほどに焙煎と言うのは、コーヒーの味の良し悪しを左右する重要な要素なのです。

同じコーヒーの生豆でも、どのような煎り方(火力の与え方)をしたかによって、変幻自在の味に変化します。
焙煎の度数(浅煎・中煎・深煎)を少し変えるだけても、違ってきます。
焙煎機のタイプ(直下・熱風・遠赤・炭火etc)の違いによっても、味わいの違う珈琲になります。

たとえば、何人かの料理人さん達が、同じ材料を使って料理を創ったとしても、出来上がりの料理は人によって味付け・盛り付け・料理内容自体が違ってきます。
しかし、その料理人さんの一つのスタイルというのが、全体を通して見るとハッキリとでているように思います。
ファッションデザイナーの人達が、同じ素材を使っても自分独自のスタイルと感性全く違うファッションを創り出すように・・・
珈琲の焙煎というのも、そういうものだと思います。

では、良質の珈琲豆とは、どのように焙煎された豆を言うのでしょうか?
それは、豆の芯からしっりと煎られていて、豆の成分(味)が自然なかたちで十分に引き出されている珈琲豆をさします。

ところが、従来一般的に行われてきた焙煎方法では、この豆の芯からしっかり煎りきると言うことが、特に浅煎のマイルドコーヒーではたいへん難しい事と思われてきました。

当店の焙煎スタイルは一言で言えば、浅煎コーヒーの旨み(まったりとしたコク)を味の基本にした焙煎と言えます。
深煎の焙煎においても、味の骨格には浅煎の旨みをしっかりと残しつつ、深煎の焙煎に仕上げています。
コーヒーは深く煎れば煎るほど旨みの成分を無くす(飛ばす)ことになりますが、低温焙煎の深煎は、旨み成分を逃がすことなく、味わい深い味に煎りあがっています。

低温焙煎は、生豆の繊維を低温で十分に解きほぐして、生豆の水分を適度に抜き去る事によって豆を芯から煎りきると言うことを可能にしていますので、高温の焙煎とは全く違う『完熟したまろやかな美味しさ』を造りだします。

●焙煎方法によって、コーヒーの美味しさは大きく違ってきます!●


コーヒーの味を表現する時に、コクキレと言う言葉を使います。
昔のビールのコマーシャルで、コクが有るのに、キレが有る”と言う有名なキャッチコピーの一節が有りましたが、味の本質を捉えた名文句だと思います。

なぜならば、コクキレと言うのは、相反する味わいだからです。
コクの有る味を求め続けると、キレが悪くなり、キレの有る味を求め続けると、コクが無くなるからです。

コーヒーの味で表現するとコクの有る味は→ドッシリ→モッサリとした味に→(すなわちキレの無い味)に通じ、キレのある味は→シャープ→カタイまろやかさのない味に→(すなわち未熟なコクの無い味)に通じていくからです。

焙煎の視点から説明すると、コクをだすには、コーヒーの生豆を比較的低温で、じっくりと十分に火を通してやる事が必要ですし、逆に、キレをだすには、コーヒーの生豆を比較的高温で早く浅めに煎りあげてやる事が必要と言うように、正反対の焙煎の仕方になってしまいます。
また、低温でと簡単に言っても、熱量不足ではしっかりとした味にならないし、高温でと言っても熱量オーバーでは青味が残ったまろやかさの無い未熟な味になってしまいます。

それに適正な火力(適正な熱量)と言っても、バーナーのコックの開閉具合や温度計の目盛りだけでは適正な火力とは言い切れないのです。
なぜなら、その時の気温や排気の状態によっても、珈琲豆の焼き上がりに微妙な違いが出てくるからです。

その針の先でつついたような、微妙さの積み重ねの結果がおいしい珈琲の味を創り出すのです。

珈琲の焙煎をする時に、私は温度・時間・コーヒー豆の香り・色・膨れ具合・豆のはじける音などを頼りに焙煎します。

しかし、それら目で見たり・耳で聞いたり・鼻で嗅ぎ分けたりして感じているものは、あくまでも珈琲豆の表面に現れた一つの現象でしかありません。

最後に頼れるのは、表面に現れた現象の奥に有る状態を感じ取る”職人の勘”と言う、実に実体の無い代物でしかないのです。
”匠の技”と言うのは、そのようなものではないかと思います。

低温焙煎高温焙煎は、どう違う?
焙煎と言うのは、コーヒーの生豆を煎る事によって、コーヒー独特の味わいを創り出すわけですが、焙煎のスタート時に低温から煎り始めたか、高温から煎り始めたかによって、全くタイプの違う(仮にAタイプ・Bタイプと呼びます)味わいの珈琲になります。
このAタイプとBタイプの異なる珈琲の味わいの接点に、位置するように焙煎された時の珈琲が最初に述べた”コクが有るのに、キレが有る”と言う味の珈琲になるのです。

また、焙煎されたコーヒー豆の形状も、低温と高温では全く違ったものになります。

下記の写真は、高温から焙煎された珈琲豆(A社)と低温から焙煎された珈琲豆(当店の珈琲豆)との比較です。
特徴がハッキリとしているコロンビアを例に取って説明します。


●左の写真は、コロンビアの生豆の腹の面です。

シルバースキンのセンターラインの部分に注目して下さい。
●左の写真は、A社の高温で焙煎されたコーヒー豆です。

1.豆の形状は、上の生豆の形状とあまり違わない。

2.センターの溝の部分は、それほど広がっていない。
●左の写真は、当店の低温焙煎のコーヒー豆です。

1.豆の形状は、A社の豆と比べてみると良く膨らんでいる。

2.センターの溝の部分が、良く広がっている。
●左の写真は、コロンビアの生豆の背中の面です。
●左の写真は、A社の高温で焙煎されたコーヒー豆です。

豆の表面のシワが、あまり伸びていない。
●左の写真は、当店の低温焙煎のコーヒー豆です。

豆の表面のシワの、伸びている部分と伸びていない部分のコントラストがハッキリしている。

一見すれば同じように見える珈琲豆ですが、よく観察してみると違いの有る事がご理解頂けたでしょうか?
上記のコーヒー豆は、豆の色合いで見る限りは、同じぐらいの度数(煎り具合)のように見えますが、A社の豆の方が、あきらかに浅煎りになっています。
挽いた豆の色も浅煎りの色合いですし、噛み砕いても、歯がたたないぐらいに硬いです。

豆の色合いは、同じように見えるのに、何故そのような違いが出てくるのでしょうか?

低温高温では、豆の水分の抜け方が違います。
焙煎とは、生豆に熱量を与える事によって、生豆に含まれている成分を旨味の成分に変化させる訳ですが同時に焙くと言う事は、含まれている成分を抜き去る(飛ばしてしまう)という事にもなります。
つまり、コーヒー豆は深く煎る程、苦みの味は増しますが、豆の成分(大部分はカフェイン)は少なくなります。
浅煎りの豆の方が、実は含まれているコーヒーの成分は多いのです。
※この事は、コーヒーが冷めても引き締まった味になって、最後まで美味しく飲める味のコーヒーと、冷めてしまうと、急激に味の低下をもたらすコーヒーとの違いに、関係してきます。

だったら、コーヒーは”浅煎りにすれば全て美味しいのか?”とは、言えません。
豆の芯から、しっかりと煎りあげて、生の味を残さず(生の味が残ると、渋味やエグ味として感じる)に浅煎りに煎りあげられた時のコーヒーだけが、まろやかで芳醇な味わいのコーヒーとなれるのです。

そのように焙煎する為には、生豆の水分を焙煎の初期の段階で、上手く抜き去る事が重要に成ってきます。
低温からスタートした焙煎の時は、生豆の繊維が適度に解されて、含まれている水分が抜けやすくなります。
※生豆の繊維が解れているので、豆も膨れやすい。
それに対して、高温でスタートした焙煎の時は、生豆の繊維が解れる前に、豆の表面が焙かれるために、生豆の水分は封じ込められるような形になります。
※豆は膨れずに、生豆の形に近い形状で焙煎される。
その為、高温焙煎の時は、コーヒーをある程度深く煎り込まなければ、豆の芯まで煎れない(生の味が取りきれない)と言う結果になるのです。

低温と高温の焙煎の違いが、少しはお解り頂けたでしょうか?

最後に、ポイントを整理してみます。
1.表面にツヤのある、珈琲色の豆。
2.コーヒー豆のシルバースキンの溝の部分が、広がっている。
3.豆の表面のシワが、部分的に良く伸びている。(全くシワのない状態の時は、火が入りすぎで中身のないような味になっている事がある。)
4.コーヒー豆が、丸みのある膨らみ方をしている。
5.噛んでみると、豆の芯までカリッとして噛み砕ける。(芯が残る時は、煎り切れていない。)

以上が、美味しい珈琲豆の見分け方のポイントです。

一度、コーヒー豆を良く観察してみて下さい。



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